ある晴れた日の昼下がりに。

Aky.A

2013年11月20日 04:09

こんにちは皆様。
オハイオ州エイダは先日雪が降りまして、とうとう冬がやってきたなと感じてしまう今日この頃です。
さて、夏の終わりが近づき、風は涼しくなってきたある日の話を皆さんとシェアしたいと思います。(写真あり)


あの休日の晴れた昼下がり。家にこもり、一人オートバイの部品を加工していた。
「もう少しだ」と一人で満足しながら窓の外を見ながら一休み。


「いい天気だなー。走らせに行きたいなー。」

しばらくぼーっとしていると遠くでオートバイのエンジン音が聞こえた。


しばらくして作業に戻ろうとすると、独特のエンジン音が近づいてくるのを感じた。
「直管、もしくはサイレンサー抜いている音だな。」
車検のないオハイオでは珍しくない音だ。
正直言うとあまり品のない音である。


しかし、思わず聞き入ってしまった。
あのパタパタという音はパラレルツインエンジン(並列二気筒エンジン)だ。


Vツインエンジンを載せたハーレー、マルチエンジンを積んだスポーツバイクが多いこの国で爆音のパラツインに乗っている人がいるというのは相当珍しい。

「どんなバイクなんだろう、見てみたい」という気持ちを抑えながらまた作業を再開した。



!!!!?


その爆音はどうやらこちらへ向かってきている。
窓から顔を出し、周りを見渡す。
近づいたそれは、家の前を通り過ぎ、交差点で止まった。


見たことのないバイクだ。

黄色くてコンパクトな車体から響く爆音。
明らかにミスマッチだ。



近くで見てみたい、という衝動に駆られた私は気がつくとブーツ、ジャケットに身を包みヘルメットを持って愛車へと駆けていた。


さきほどあのバイクが停まった交差点を直進し、周りを見渡す。


が、見えないどころか、しばらく行くと手がかりのあの爆音すら聞こえなくなってしまった。

ヘルメットの中で舌打ちをし、あきらめて家へ帰ることに。

するとあろうことか、あの交差点を曲がったところ、すぐそこの路肩にあのバイクが停まっていた。


すぐ横に止め話しかける。
まだ幼さを残す少年だ。
彼の名はGray
地元の高校に通っているとのこと。


停まっている理由を尋ねてみたところ、
どうやらエンジンが止まってしまったようだ。


家にバイク整備に必要な工具は一式そろっている、ある程度ならいじれることを伝え、交差点のすぐそこにある私の家まで持ってくるように言った。

一通り点検と応急処置をするとエンジンがかかった。

話を聞くと40年前のインディアン製のバイクだそうだ。



私のFZ6の一部とツーショット。

全体的にコンパクトなのがわかると思います。



エンジンもかかってご機嫌の少年。
「ありがとう」という言葉を残し、彼は颯爽と町へ繰り出したのだった。




少しは自分の技術で人の役に立てたかなと思った瞬間でした。


最後までお付き合いありがとうございます。

関連記事